名状しがたい日記のようなもの

適当なことを適当に書く感じのあれです(愚痴多め)

新しい独房へ移りたくなる夜

こんばんは。
なんだかとっても憂鬱な気分です。
憂鬱というか、なんだかもやもやして、
名前の付けがたい負の感情の濃密なものが渦巻いているような。
以前から夜は落ち込みやすいと自覚してましたが、
落ち込みが行きすぎるとどうしようもなくなるので困ります。

私はカフカが好きです。
カフカの言葉には共感するものが沢山あります。
そんなカフカの言葉の中のひとつに、
『死にたいという願望がある。そういうとき、
 この人生は耐え難く、別の人生は手が届かないようにみえる。
 嫌でたまらない古い独房から、
 いずれ嫌になるに決まってる新しい独房へ、
 なんとか移してほしいと懇願する。』
という言葉があるんですが、私は正しくこれだなと思います。

私が生まれたのは嫌でたまらない古い独房で、
私は20年以上その独房の格子の間から外をみて、
外を羨み、だけど出られずにいました。
怖い看守が沢山いて、私から色々なものを搾取したり、
私に暴力を振るったり、私を束縛するので、
私は独房の格子の外の世界へ出ることはできませんでした。

二年前のあの日、あの人が私を連れ出してくれました。
「自由にしてあげる」「名前だって変えられる」
「したくないことは何にもしなくていい」
「したいことだけ何でもしていいんだよ」
「最後にはきちんと×してあげるからね」
甘い言葉の数々と共に連れてこられたそこが、
自由な外界ではなくて新しい独房だったことに、
愚かな私はすぐには気がつきませんでした。

輝いて、力強く私を守ってくれるように見えた、新しい独房。
きっと新しい独房に恋い焦がれていたせいで、
私の目には色眼鏡がかかっていたんでしょうね。
きちんと冷静に考えればわかったはずなのに。
キラキラして美しく輝いて見えた新しい独房も、
二年足らずで嫌でたまらない古ぼけた独房へ変わりました。

私を連れ出してくれたあの人の言葉のうち、
真実になったものは四割足らずです。
あの人は、今の私の独房の看守になりました。
私は自由なようで自由ではありません。
制約がある中での自由は自由ではありません。

私は今、悩んでいます。
新しい独房へ移るべきか。
カフカのいう、新しい独房へ。
次向かうべき新しい独房も嫌でたまらなくなるのかは、
まだ移ったことがないからわかりませんが、
今度は看守になりうる道案内人なんてつけずに、
なんとか自力で新しい独房へ移りたいなと、思うんです。
だって今の独房が嫌でたまらないことはわかっているけど、
次の独房も嫌でたまらなくなるかはわからないでしょう?
わからないなら賭けてみる価値があるじゃないですか。

落ち込むと、新しい独房が凄く魅力的に感じるんですよ。
落ち込めば落ち込むほど、輝いて見えるし、
すぐにでも転がり込んでしまえそうに思えるんですよ。

わかっているんです。
こういう夜は危険です。
新しい独房へ移るかは、もう少し考えないと