名状しがたい日記のようなもの

適当なことを適当に書く感じのあれです(愚痴多め)

大好きな貴女へ、ごめんなさいを

こんばんは。

適当に書いていきます。

 

僕はおばあちゃん子でした。

おばあちゃんは美人で可愛くて、

料理も裁縫も片付けもできて、すごく素敵な人。

僕をめちゃくちゃに可愛がってくれて、

僕が少し怪我したり具合が悪くなるだけで、

参ったと口癖を呟いていたおじいちゃんには、

少し申し訳なく思うけど、

僕は圧倒的におばあちゃんが好きだった。

 

おばあちゃんは美人で、

性格まで女の子らしくて可愛くて。

歳をとって毛量が減った白髪混じりの髪の毛を、

少しでもボリュームが多く見えるように、

くるくるふわふわのパーマをかけていた。

年々増える白髪と、柔らかな髪質と、

ふわふわのパーマが、

おばあちゃんにすごく似合っていた。

 

僕は運動音痴で運動嫌いだけど、

体力測定ではそこそこの数字を出していた。

それは全部おばあちゃんに由来するものだった。

僕の家庭環境は糞だったので、

食材は全部おばあちゃんが買ってくれていた。

おばあちゃんはリウマチで痛む身体で車を運転し、

僕をスーパーへ連れて行って、

二人でそれぞれカートを押して、僕は僕の家の、

おばあちゃんはおばあちゃんの家の食料を、

それぞれカートのカゴに詰めていく。

おばあちゃんのリウマチで痛む膝は、

カートを押しているときは楽なようだった。

おばあちゃんの体に負担をかけたくなくて、

一週間分買い溜めした全ての食料を、

僕の家の分もおばあちゃんの家の分も、

全部僕が持つようにしていた。

どんなに重たいものが入っていても、

僕はおばあちゃんにそれを持たせたくなかった。

大好きな可愛いおばあちゃんが、

痛みに顔を歪ませるのを見たくなかった。

だから、十キロの米に野菜ジュースに牛乳に、

油にその他諸々重いものがいくら入っても、

全部僕が持った。

そうしてるうちに握力と腕力は勝手についた。

 

特に握力はそこらの男子よりあったし、

就職して通勤で歩くようになってからは、

書類の束を山ほど抱えて階段を上り下りしても、

なんの苦でもなかった。

より重たいものが持てるようになって、

一緒ならおばあちゃんに負担をかけなくて済む、

と思って嬉しかったくらい。

 

僕は、僕はおばあちゃん子でした。

そう、過去形なのは、

僕があの家から逃げ出したとき、

おばあちゃんのことも一緒に捨てたから。

ごめんね、おばあちゃん。

でもおばあちゃんは、お父さんを見捨てられない。

兄さんのことも見捨てられない。

お父さんと兄さんを追いやって、

僕一人を守るなんておばあちゃんには無理だから。

ごめんね。

今でも大好きだよ。

 

おばあちゃん、今どうしてる?

リウマチは、悪化しちゃったかな。

兄さんはまだおばあちゃん家にいるの?

兄さんは僕みたいに、

買い物の荷物全部持ってくれる?

僕みたいに毎月決まった額入れてくれる?

お父さんにまた金の無心されてない?

じいちゃんはまだカップラーメンしか作れない?

 

おばあちゃん。

心配したよね。

びっくりしたよね。

いきなりいなくなってごめんね。

でも、たぶん予想ついてたよね、半分くらい。

僕が仕事で追い詰められてたことも、

父さんに金をしょっちゅう無心されてたことも、

兄さんが怖くて仕方ないことも、

必死にそれを誤魔化して兄さんと話してたことも。

気付いてたよね。

でも、それを言い訳にはできないよね。

ごめんね、おばあちゃん。

 

ねえ、おばあちゃん、大好きだよ。

また歳をとったのかな。

抜け毛が増えたとか、白髪が増えたとか、

気にしてまたパーマかけてるのかな。

僕がプレゼントしたバレッタ、使ってる?

あれ、すごく似合ってたよ。

スカートもすごく似合うから、たまに履いてね。

おばあちゃんには華やかな色が似合うよ。

美人だからなんでも似合っちゃうけどさ。

リウマチの痛みは悪化してないかな。

じいちゃんや兄さん、

叔父さんはサポートしてくれてるかな?

おばあちゃんは可愛いけど我慢強いから、

なんでも自分でやっちゃうけど、

もっと人を頼ってこき使っていいんだよ。

おばあちゃん可愛いから、許されるよ。

 

ねえおばあちゃん、鶏のコーラ煮のレシピ、

詳しく教えて欲しかった。

おばあちゃんが誕生日に作ってくれた、

レアチーズケーキも、昔作ってくれたババロアも。

キロ単位でジップロックで漬ける胡瓜は、

からしとわさび、

どっちを丸々一本入れるんだっけ?

冬瓜の煮物は鶏の挽肉を入れてたよね。

おばあちゃんの味が恋しいよ。

僕は、おばあちゃんの味を教えてもらう前に、

逃げ出さざるを得なかったことだけ後悔してる。

 

おばあちゃん、ごめんね。

今でも大好きだよ。

でも、僕は僕を優先して逃げることを選んだ。

おばあちゃんは一人を選べないから、

僕がおばあちゃんに会ったら、

逃げた意味がなくなってしまうから、

僕はもうおばあちゃんには会えないけど。

何度も会いたいと思ったよ。

会えないけど、大好きだよ。

いつまでも、大好きだよ。

 

おばあちゃん。

できるだけ健康で長生きしてね。

僕の記憶の中の、可愛いおばあちゃんのままで。

いっぱい人を頼ってわがまま言ってね。

おばあちゃん可愛いから、

みんなメロメロになるし許されるから大丈夫。

祖母不幸な僕を許せなんて言わないけど。

でも、おばあちゃんの幸せを、祈ってるよ。

じいちゃんのことはもっと厳しくしてもいいよ。

じゃないともしおばあちゃんに何かあったら、

じいちゃんカップ麺しか食べられないからね。

 

ばあちゃん。

本当に大好きだよ。

ごめんね。